ジワジワ家計を苦しめる子どもの医療費。さまざまな方法で節約できるってご存じでしたか? 今日から使える節約法&知らなきゃ損する制度をわかりやすく解説。わが子のために日本のピンチも救っちゃおう!

――ある日のサバイブ編集部。中島なかじは、やり場のない怒りを抱えていた

上司の石田ヤス彦.から、なかじに1通のLINEが届いた


子どもってすぐ風邪ひいたり熱出したりするものなんだよね。
なかじもお母さんになればわかるよ。


ウチもヤスの家にも小さい子が2人いるから「風邪だ、アトピーだ、喘息だ」っていろんな病院でお金取られちゃう。

子どもの医療費を節約する方法ってないんですかね?

なかじにも近い将来役立つと思うから、調べてみてよ。

(子どもどころか結婚もまだなんだけど。というか28歳になって結婚ラッシュが来ておびえてるんだけど)

目次
知ってた? 東京23区は15歳まで医療費が無料
子どもの医療費をサポートする日本の制度は
【都道府県の助成金】 + 【市区町村の助成金】
と二重になっていることが多く、助成内容はかなり手厚くなっています。
親の所得制限がある地域もありますが、基本的に健康保険に加入する子どもが小学校入学前なら医療費の自己負担は2割です。

まず、都内に引っ越してください。
東京23区には、子どもの医療費をサポートしてくれる2つの制度があります。
1.乳幼児医療費助成制度(通称:マル乳)
2.義務教育就学児医療費の助成(通称:マル子)
この2つの制度のおかげで、23区に住む15歳までの子どもは医療費の自己負担がゼロ円になります。所得制限も設けられていません。

引用:東京都福祉保健局 HPより
※ただし、健康診断や予防接種など健康保険の対象外になるものは自己負担
他にも東京都には、結核にかかっている子どもの療養給付、白血病や糖尿病など特定の疾病を患う子どもの医療費を一部助成する制度など様々な制度があります。


だから、せいきゅんも北区に住みましょう!
東京23区でも、千代田区と北区は高校生相当まで(高校に通っていなくても)医療費助成が延長されています。
千代田区の高校生等医療費助成制度

子と親が千代田区に住民登録している場合、子が18歳になる日以後の最初の3月31日まで、健康保険適用内の医療費が無料になる。
北区の高校生等入院医療費助成

子と親が北区に住民登録している場合、子が18歳になる日以後の最初の3月31日まで、健康保険適用内の高校生相当の入院診療費まで無料になる。
※ただし、千代田区も北区も高額療養費に該当するものや入院時の食事療養費など助成の対象外になるものもある。不明な点は役所にご相談を

なんで北区なの?

北区は「子育てするなら北区だね」のスローガンをかかげ、親が子育てについて相談できる環境が整っていたり育児支援ヘルパーの利用券を配布したり産前産後の支援も手厚いんです。
千代田区は待機児童が少ないけど、家賃が高いんですよね。
1LDKで平均18万。北区なら平均11万ですよ(2017年3月3日 HOME’S 調べ)。


けど、引っ越したら子どもと友達が離れ離れになっちゃうし、ママ友をイチから見つけるのも大変だよね。
家族のことを思うと、引っ越しは現実的じゃないな~。
誰にでも利用できる、医療費節約のウラ技みたいなのはないの?


誰でも今からできる、6つの節約法をお教えしましょう!
子どもの医療費を節約する6つの方法
1.残薬を減らす


中島なかじの机から出土された残薬
残薬とは、薬の飲み残しや飲み忘れでムダになった薬のこと。
みなさんの家にも、病院でもらった風邪薬や湿布薬などが余っていませんか?




薬の使用期限は未開封の状態で製造から3~5年程度。期限切れの薬を眠らせてはいませんか?
ムダになった薬が積もり積もって1000億円を突破してるかもしれないんです!!
日本薬剤師会の調査によると(平成20年3月の調査報告で)
在宅の高齢者(75歳以上)だけでも年間475億円分の残薬があったそうです。
「国民全員がムダにした残薬を合わせると1000億円をはるかに超えている」という専門家の意見も出ています。
2015年のIMSジャパンの調査によると、肥大化する医療費の中で最も伸び率が高いのが医療用医薬品で、その額は約10兆円。


病院と薬局と患者さんが連携して残薬を減らせば、日本を圧迫してる医療費を大幅に削減できるんです。
残薬を減らすためにできること
①前回処方してもらった薬が余っていたら薬剤師さんに相談してみよう
かかりつけ薬局に通えば、薬歴が残っているので「前回のお薬が残っていませんか?」と確認してもらえます。
②薬は管理するもの。お薬手帳を持ち運ぶのはマジ面倒くさいけど、アプリならラクチン
紙製のお薬手帳を携帯するのは正直面倒ですが、実は アプリで代用できるんです。
さまざまな企業からアプリが出ていますが、中島が10種以上試して一番使いやすいと感じたのは
日本薬剤師会の『eお薬手帳』です。
引用:eお薬手帳のアプリより
- 登録してデータを記録すれば、いつでもどこでも過去に飲んだ薬やアレルギー、副作用歴の確認ができる
- データなのでお医者さんや薬剤師と情報共有がしやすい(ワンタイムパスでスマホを渡さずにデータを見せられる)
- 家族全員分のお薬手帳も登録できる
- 薬の飲み忘れ防止アラームを設定できる
- 災害時や救急時などもクラウドにデータを残せるので安心
- 処方された薬だけでなく、市販薬も登録できる
- 操作メニューがわかりやすい
- おサイフケータイやNFC機能対応のスマホなら、特定の薬局で機器にタッチしただけで薬の情報が読み込める


子どものお薬手帳もまとめて登録できるので、超便利ですよ。
「お薬手帳はアプリで」という考え方が定番になる日も近いと思います!
2.ジェネリック医薬品に切り替えてみる


ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発品(最初に開発・発売された新しい薬効成分を持つ医薬品)と同じ有効成分でつくられた、価格の安い医薬品のことです。
お医者さんが薬を出す際または調剤薬局で薬剤師さんに「ジェネリックに変更できますか」と相談すれば、対応してもらえます。


効き目や安全性は同じで安くなるなら、僕の薬は変えてもいいけど、子どもの薬ってなるとちょっと不安かも。


ジェネリックの疑問を調剤薬局のお兄さんにぶつけてきました!
ジェネリックに変更できない薬もある? 調剤薬局に聞いてきた
――かかりつけの調剤薬局にて






処方せんをみると確かに「変更不可」の文字が!




しかし、同じ有効成分でつくっていても添加物の違いなどから薬によっては「切り替えないように」とおっしゃる先生もいます。
また、薬が効いているか確かめるために変更不可を出す先生もいます。




ジェネリック医薬品に切り替えられるお薬もたくさんあります。
切り替えると平均2~5割程度の価格になります。中には5割以上安くなるお薬もあるんですよ。
錠剤を小さくしたり、苦味を抑えた味に改良して、服用しやすくしたお薬もあります。
お薬代の軽減や医療費抑制にもつながるので、ジェネリックに興味を持ったら先生や薬剤師に声をかけてください!


「医師と製薬会社の癒着も、ジェネリックが広まらない原因のひとつ」って噂を聞いたことがあるんですけど、そういうことって本当にあるんですか?


お医者さんと製薬会社との付き合いや関係性もあるので、そういった理由で変更不可を出している先生もいるかもしれません。


気になっている方はぜひ質問してみてください!
→薬名を入力すると置き換え可能な薬があるか検索できる
3.かかりつけのお医者さんや病院を見つけておく


身体のことをなんでも相談できる、なにかあったら診てもらえるお医者さんを、家の近くで探しておきましょう。
「なにかあったらすぐ○○先生・○○病院に相談」という決まりをつくっておけば
- 「誰に相談すればわからない」という状況に比べ、迷うコストがかからないので、精神的に余裕が生まれる
- 子どもの身体や症状の傾向を把握してもらえる
- 症状が先生の専門外でも、他のお医者さんや病院を紹介してもらえる&紹介状も書いてくれる
といったメリットがあります。


- 家から遠い
- 話や訴えを十分に聞いてくれない、相談にのってくれない
- 質問しても回答がない、返事があやふや
- フィーリングが合わない(相性が悪い)
- 同じ処置をしているのに他の病院より高い


たしかに病院によって、同じことをしてるのに全然請求額が違ったり、眼科で毎回視力検査を受けさせられたり「請求額をあげるためにやっていのでは」って感じることが結構あるよね。


「どんなに些細なことでも、不安なことを気軽に話せるお医者さん」っていうのが、一番の条件だと思います。
「大きいから安心」という理由だけで、いきなり大病院に行かないほうがいい


大学病院など入院用のベッドを200床以上置ける病院を医師の紹介状ナシで受診すると、特別料金(選定療養費)といって1000~5000円程度徴収される可能性があります。


大病院は待ち時間も長い(2時間待って診療は3分なんてことがザラな)ので、なにかあったら救急相談センターに電話で相談するか、かかりつけの病院で診てもらうほうが効率的です。
病院を信じない「はしご受診」は身体と財布の負担が大きいからやめよう
「処方された薬を飲んでいるのに効かない」「先生と相性が合わない」「念のために大きい病院で診てもらいたい」といった理由で、医療機関を複数利用する・転院する行為をはしご受診と呼びます。


複数の医療機関で同時に治療を行うと、どの治療や薬が効いたのかわかりづらくて、身体への負担も大きくなります。オススメしません。
別の医療機関でも診てもらいたい・別の先生の意見(セカンドオピニオン)が聞きたい場合は、現在かかっている病院で検査結果や画像(診療情報)を提供してもらうと、かかるお金も(検査や投薬が重複することでの)身体への負担も軽減できます。


でも、全然治らなくて、別の病院で診てもらったら脱臼だったんだ。
そういう事例を聞くと、ちょっと不安になる。


かかりつけ以外に休診日がかぶらない病院をもう1か所把握しておくと、休診日に体調を崩した場合や、セカンドオピニオンを聞きたいときも安心ですね。
かかりつけ薬局も見つけておく
街に調剤薬局はいくつもありますが、かかりつけの薬局を決めておけば複数の病院にかかった場合でも薬の重複を防げます。
また、6か月以内に同じ調剤薬局にお薬手帳を持っていくと、薬代の支払いが(3割負担で)40円程度安くなります。
さらに、大病院の目の前にある患者さんの多い調剤薬局は調剤基本料が250円(3割負担で80円)、一般的な薬局は410円(3割負担で120円)など薬局によっても、費用が異なります。


胃腸が弱いことを知ってる(薬歴を把握している)から「この薬は胃が荒れることがあるけど、前回飲んで大丈夫でしたか」って確認してくれるし
この前「健康診断の結果で悪玉(LDL)コレステロール値が高かった」って世間話をしたら、食事の改善方法とかレシピをまとめた冊子をくれましたよ。


アレルギーを持ってる子もいるから、そういう情報を把握してくれてるのはありがたいよね。
「かかりつけ」っていうと難しく感じるかもしれないけど、普段からお世話になってる先生や薬剤師さんの顔を見ると、それだけで子どもたちの不安な気持ちが落ち着くかも。
4.診療時間内に病院に行く
休日に診察してもらったり、診療時間外に診てもらうと
・時間外加算(深夜加算など)
・休日加算
などが発生する可能性があります。
できるかぎり診療時間内に診療を受けることを心がけましょう。
※平日は8時前と18時以降、土日はすべての時間帯で時間外加算されてしまう




5.保険証を忘れない


母子手帳ケースに入れて持ち歩くお母さんも多いそう 引用:http://amzn.to/2lNd2j6
保険証を忘れると全額自己負担(10割)しなければなりません。
「落としたり、悪用されるのが不安」という方もいますが、最近はカード型の保険証も増えてきたので、なくさないよう注意しつつ、持ち歩くと便利です。
※後日(期日がある場合もある)、領収書と保険証を持って病院で手続きをすれば払いすぎたお金(3割負担なら7割)が返ってくる
※病院で手続きできない場合、国民健康保険の加入者は自治体の国民健康保険窓口で、健康保険の加入者は健康保険組合窓口で手続きすることも可能




旅行に行くときは、今でも必ず持って行くよ。
6.軽い症状ならOTC医薬品で様子を見てみる
OTCとは、Over The Counterの略。「カウンター越しにアドバイスを聞いて購入する薬」というのが名前の由来だけど、現在はカウンターの外に置かれている場合もあります。
※医療用の医薬品として使われていた有効成分をOTV医薬品に切り替えた薬を「スイッチOTC(医薬品)」と呼ぶ(例:リアップ、ガスター10、ロキソニンSなど)
メリット
- 処方せんなしで購入できる
- 病院に行く時間や費用を抑えられる
デメリット
- 副作用などのリスクが高い「要指導医薬品」や「第1類医薬品」は薬剤師がいないと購入できない
- 病院でもらえる薬に比べると症状の緩和が目的の薬が多い
- かぜ薬などは1錠の薬にいくつも有効成分が入っているので薬の重複が起きやすい(飲んでいる薬がある場合は薬剤師に相談を)


だったら、病院行って薬もらったほうがいい気がするけど。


今まではOTC医薬品は10割自己負担でしたが、2017年1月から新しい制度が始まって一定額以上のスイッチOTC医薬品を購入すると、控除を受けられるしくみができたんです。
セルフメディケーション税制


引用:http://www.jfsmi.jp/lp/tax/
セルフメディケーション税制とは、薬局やドラッグストアで対象となるOTC医薬品を年間1万2000円以上購入し、健康に関する一定の取り組みを行った方が確定申告すると適用される制度です。
対象商品の多くには、上記のようなマークがついています。
適用されれば医療費控除の特例扱いになり、所得税が還付される(翌年の住民税まで安くなる)かもしれません。
期間
平成29年1月1日~平成33年12月31日
対象者
- 所得税と住民税を納めている
- 対象となる医薬品の購入額が年間で1万2千円を超える
- 健康のために特定の予防接種や検診を受けている
→インフルエンザの予防接種、がん検診、会社や個人で受けた健康診断、特定健康診査(メタボ健診)など
上記にあてはまる人(申告者の扶養家族を含む)は、1万2千円を超えた分の額(上限:8万8千円)の所得税や個人住民税が、所得に応じて減税されます。
※ただし既存の医療費控除との併用はできない


ざっくり計算してみたい方はこちら
【参考リンク】医療費控除簡易計算シュミレーター
【参考リンク】セルフメディケーション税制 簡易計算(ページ下部の「実際に計算してみよう!」で計算できる)
※上記のリンクで割り出せる計算結果はあくまでも目安としてお考えください


誰でも利用できて、節約効果の大きい2つの制度
1.医療費控除制度


家庭内で1年間に支払った医療費の合計が「10万円以上」または「所得の5%(所得が200万円未満)」の場合に、確定申告を行うと所得税が還付される(翌年の住民税まで安くなる)のが医療費控除制度。
医療費控除の申請方法や対象となる医療費など、わかりやすい解説はこちら。
【相談先】お住まいの地域の税務署
【参考リンク】税についての相談窓口|税について調べる|国税庁
2.高額療養費制度と限定額適用認定証


手術や入院で医療費の自己負担額が高額になった場合、高額療養費制度を利用することで、事後にお金を払い戻すことが可能です。


複数の医療機関で受診したり、ひとつの医療機関で入院や外来を受診したりと細かい医療費がたくさんかかった場合も、合算でき自己負担額を超えたら払い戻されます。
2年間さかのぼって申請することもでき、家族で同じ健康保険に入っていれば世帯合算もできます。
→1か月の医療費の自己負担額、年齢、所得区分を入力するだけで、自己負担限度額を割り出せる
また事前に限定額適用認定証を申請して窓口に提示すると、月の自己負担限度額以上は支払わなくてよくなります。


高額療養費制度や限度額適用認定証の利用方法やわかりやすい解説はこちら
節約術や制度で、子どもの医療費を減らせる例
子どもの医療費10万円+家族の医療費が5万円 かかった場合
①東京に住めば、子どもの医療費は無料
(保険外の予防接種などは費用がかかる場合も)
②6つの節約術を利用すれば、2万円以上節約できるかも
③引っ越さなくても医療費控除を利用すれば、1万5千円が還付される


ヘタすると家賃がちょっと高くても、23区内に住んだほうがおトクかもしれない。
■東京23区に住めば、15歳まで医療費が無料
■今すぐ使える6つの節約術
1.残薬を減らす
2.ジェネリック医薬品に切り替えてみる
3.かかりつけのお医者さんや病院を見つけておく
4.診療時間内に病院に行く
5.保険証を忘れない
6.軽い症状ならOTC医薬品で様子を見てみる
■万が一の時に使える2つの制度
- 家族の医療費が10万円を超えたら、医療費控除
- 1か月の医療費が一定額を超えたら、高額療養費制度
窓口で支払う医療費を自己負担額までとどめる、限定額適用認定証


みんなでコツコツ日本の医療費を減らさなきゃ……(汗)


知ってた? 日本の医療費はショート寸前




2014年にリリースされたGLAYのヤバ過ぎるシングル『百花繚乱』ぐらいヤバいんです。
医療費が膨らみ過ぎてオーストリアのGDPと同じレベル
厚生労働省の発表によると、平成27年度の医療費は41.5兆円。
平成元年は19.7兆円だったのに膨らみ続け、平成27年は前年度から1.5兆円も増加しています。
【参考記事】厚生労働省「平成27年度 医療費の動向」について
※オーストリアの2015年のGDP(国内総生産)が3373億ユーロ=40兆円程度。医療費を節税すれば国一つ分くらいコストが減る=借金大国卒業!


自分の家の医療費が安くなればよくない?


日本人みんなで行動しないと、日本の保険制度自体が危ういんです。
子どもだけじゃなく、私たち国民全員が使う医療費を減らさなきゃ
最悪、健康保険がなくなっちゃうかもしれないんです。
子どもの未来に関する話なので、ちょっと長くなるけど、どうか聞いてください!
「保険料高い」とか言わないで!日本の健康保険はマジ最高


日本には、最高の公的な保険制度=健康保険があります。
- 企業や個人事業主に雇われる会社員や公務員などが加入する 健康保険
→被用者保険ともいう。協会けんぽや組合管掌健康保険(組合健保)、船員保険や共済保険など - 自営業者や退職者などが加入する 国民健康保険
- 75歳以上が加入する 後期高齢者医療制度
日本はすべての国民が公的な保険に加入して保険料を支払う=皆保険(かいほけん)という制度をとっています。働き盛りのサラリーマンも子どもも、主婦もご年配の方もみんなで医療費を支え合っているのです。


お金持ちでもそうでなくても
保険証1枚あれば「いつでも・どこでも・だれでも」病院で診療を受けることができるんです。日本最高!
健康保険のココが地味にスゴイ!
1.医療費の自己負担は年齢や収入に応じて1~3割
保険料を支払っていれば、医療費の自己負担額が3割以上になることはありません。
※厚生労働省が承認していない薬や治療、美容整形など保険の対象外となる診療(自由診療)もある


実際の医療費の領収書を見てみよう


基本的に患者は3割負担。 残りの7割は患者が加入している健康保険(↑の場合は協会けんぽ)が支払います。


※慶應義塾大学の印南教授によると、マッサージだけで年間3900億円、湿布などの自立医療にかかわる薬剤で1000億円が医療保険から給付されているそうです。
多めに湿布を貰う人とか「各種保健対象」って書いてる治療院が多いけど、それって本当に必要? 保健適用させなくてよくない?
子どもができたら利用できる、出産育児一時金と無料の定期健診
健康保険に加入する主婦や、夫が健康保険に加入していて扶養されている妊娠4か月(85日)以上の人が出産したとき、赤ちゃんひとりにつき42万円の出産一時金が支給されます(流産してしまった場合でも4か月経過していれば対象)。
※産科医療報奨制度に加入していない医療機関を利用した場合、42万円ではなく39万円が支給される
※直接支払制度を利用すると健康保険が直接医療機関に一時金を支払うので、出産費用の急な出費を抑えられる(産院が制度を導入しているかチェック)
【参考記事】平成23年以降の出産一時金について|厚生労働省


でも今は、出産までに14回程度定期健診を無料で受けられる助成金が出るので、妊娠した方はお住まいの市区町村の役所に相談してみてください!
あと、働く女性が妊娠や出産で会社を休んで、給料が出なかったり・減った場合は出産手当金がもらえる可能性があるので勤務先にもご相談を!


「お金がない」って理由で子どもを産めない・健康に出産できないって本当に悲しいことだから、妊婦さんはぜひ健康保険の保障制度を活用してほしいね。
このように充実した素晴らしい制度なのに、毎年1~1.5兆円のペースで医療費が増えていってるせいで、このままでは制度そのものが破たんする可能性があります。




アメリカの医療制度の問題を描いたドキュメンタリーなんですが、アメリカには、すべての国民が対象になる公的な保険制度が存在しないんです。
救急車を呼ぶ:8万2千円
→日本なら無料
虫垂炎(盲腸)の手術代:300万円
→日本なら60万円程度。しかも高額療養費制度を利用できる(例:年収770万円以下なら自己負担は10万以下)
入院してICUを利用した場合:1日あたり88万円
→日本なら8~10万円程度。もちろん高額療養費制度を利用できる
日本の「平等、公平」に比べて、自由の国アメリカは「自己責任」を重視。
ファーストレディ時代のヒラリーも大統領だったオバマも、日本のような国民皆保険制度を整えようと努めましたが、うまくきませんでした。


- 医療保険に加入していない無保険者は人口の15.4%(国民の6人に1人)
- 一人当たりの医療費は年間8508ドル(日本円にして10万円程度)と主要国の中でも断トツ
- 個人破産の原因の多くが医療費の支払い(6割以上という声も)
引用:2013年12月16日 大和総研『米国の医療保険制度について』


民間の保険料は超高いのに、入っていても自己負担を下げてもらえない治療や病院があるから、医療費への不安がすごく大きいそうなんです。
子も親も安心して医療を受けられない世界なんて、考えたくもない。
日本はトップクラスの長寿国。
乳児死亡率などの健康指標も首位。
これもひとえに日本の健康保険が整っているおかげ。


3割負担といっても、残りの7割も私たちのお金です




残りの7割は、国民健康保険や健康保険組合(=私たちが払っている保険料(+事業者の健康保険料))から支払われたり、国庫から国が補ってるんです。


そう考えると1円もムダにしたくないね。


あと「健康保険は支え合い」ってよく言うんですけど、たくさんお金を稼いでたくさん税金を納めてくれる高額納税者たちにだいぶ寄りかかってるので、お金持ちに感謝しつつ
そういう人たちが「稼げば稼ぐほど負担が増える」って落ち込まないような仕組みができたらいいなって思います。
ということで
- 健康保険がなくなったら大変
- 自分たちのお金だから、ムダにしたくない
だから
子どもだけでなく私たち一人ひとりが、健康になって医療費を節約する必要があるのです。
まとめ
医療費を抑える方法ばかりお伝えしましたが、子どもや自分の身体のことで不調や不安があったらお医者さんに相談するようにしましょう。
我慢は毒! 早期発見、早期治療。


重た~い社会保障費を減らして、若者が生きやすい世の中になるといいですよね。




結婚も出産も妊娠も、予定は未定です!
医療費を節約して出費を抑えつつ、こっそり日本の大事な健康保険を守っていけたらいいなって思います(泣)
健康第一! 節約第二!
おまけ「病院に行くべきか救急車を呼ぶべきか」迷ったら利用したいあれこれ
東京都 救急受診ガイド|東京消防庁(24時間使える)
→パソコンやスマホから、救急車を呼ぶべき症状なのかチェックできる
全国版 救急受診アプリ『Q助』Web版(24時間使える)
→パソコンやスマホから、救急車を呼ぶべき症状なのかチェックできるほか、119に電話したり全国のタクシー業者を検索できる
東京消防庁救急相談センター(24時間受付)
電話:#7119
→症状が出て救急車を呼ぶべきか迷ったときに電話で相談できる
小児救急でんわ相談
電話:#8000
→休日や夜間に子どもが急病になったときに電話で相談できる
ためらわず救急車を呼んでほしい症状(大人版)
ためらわず救急車を呼んでほしい症状(15歳未満の小児版)
→消防庁がつくった資料。すぐ救急車を呼ぶべき症状をイラストで説明してある
早川幸子『読むだけで200万円節約できる!医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』


記事を書くために調べた情報のほとんどがこの本に(わかりやすく)書いてあって「この本読めば、私の記事いらないんじゃ……」と顔面蒼白になりました。
電子書籍版もあるので、医療費に不安のある方はぜひ読んでみてください。
早川幸子『読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』
Can You Survive?
※記事で紹介したサービスや商品を購入すると、売上の一部がサバイブに還元されることがあります。
お子さんが熱出すの、今月なん回目~!?
子ども、身体弱すぎィ!