老後資金いくら必要?30歳から始める”非エリート的”備え方

なんとなく不安な老後資金。たしかに老後破産は最も避けたいことの一つです。
ただし、見えないものに怯えて必要以上に貯蓄に走ってしまうと、チャンスを逃してしまうかも?
ということで、今回は老後資金について具体的に考えてみましょう。

老後資産
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まいど!趣味は株式投資の27歳、ヤマザキOKコンピュータです!
さて、サバイブ読者のみなさんは薄々勘付いているかもしれませんが、私は独身です。
今後誰かと結婚するイメージも湧きません。

結婚して、子供ができて、仕事が軌道に乗って、たまに家族旅行に出かけて……

そんな幸せな日々が来るなんて想像できない系男子の私が、老後のお金について考えてみようと思います。

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エリートは老後の心配ないから見なくてよし!
生涯独身の中小企業サラリーマンや自営業者を中心に想定して組み立てていきます!

老後資金はいくら必要?

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「老後資金はFP(ファイナンシャルプランナー)に相談」なんて広告やサイトをたまに見かけますが、自分で計算できるのでお金と時間をかけて相談する必要なんてありません!

老後資金とは、一般的に退職してから寿命を迎えるまでに必要な貯金額のこと。

つまり
老後資金=老後の生活費+その他の出費-老後の収入
となります。

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今回の記事では、この計算式を数字で埋めていって、具体的な対策を考えるところまでやってみましょう!
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あまりの金額に途中でくじけそうになるかもしれませんが、計算上100%カバーできる対策もバッチリ考えてあります!
この記事さえ読めば老後は安心!!

老後の生活費とは

老後資金の計算1
まずは老後の生活費

老後の生活費を分解すると、退職後の月数×毎月必要な生活費となります。

何歳まで働き、何歳まで生きるのか、平均的なデータを集めて考えてみましょう。

何歳まで働くの?

60歳で定年退職するのが一般的になったのは1980年代。それまでは55歳で定年退職するのが常識だったそうです。
それから35年ほど経ったいま、定年退職の年齢は60歳から65歳へと、徐々に引き上げられています。

私たち20代後半~30代前半の社会人が60代を迎えるのはおよそ35年後。
その頃には定年退職がさらに5年引き上げられて70歳まで働くのが当たり前になっているかもしれません。

今回は余裕を持って備えるためにも、65歳で引退(退職)すると仮定して考えてみましょう。

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70歳で現役!老いてなお前線で戦う天秤座の童虎みたいでかっこいいですね!

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天秤座の童虎

定年後、何年分の備えが必要?

2015年に調査された日本の平均寿命は以下の通り。

日本人の平均寿命
男性:80.79歳
女性:87.05歳
※ 厚生労働省:平成27年簡易生命表の概況

上のデータには若者の死亡者も含まれているので、65歳(定年時)まで生存した人に限定した平均寿命はさらに上昇します。
同年調査の65歳の平均余命は以下の通り。

65歳の平均余命
男性:19.46年(84.46歳)
女性:24.31年(89.31歳)
※ 厚生労働省:平成27年簡易生命表の概況

つまり、65歳まで生き残ることができれば、平均寿命の数値より3年前後は長生きすると期待されます。

ちなみに、2050年の平均寿命は以下のように推計されています。

2050年の平均寿命推計
男性:83.55歳
女性:90.29歳
内閣府:平成28年版高齢社会白書

ここに先ほど算出した修正値を加えると、以下のようになります。

現在30歳前後の人が65歳まで生きた場合の平均寿命
男性:87.22歳
女性:92.55歳
※ 厚労省と内閣府のデータを元にヤマザキが推計した数値

老後=30年

老後の長さは30年
平均寿命以上生きながらえる可能性も捨てられないので、数年の余地も与えて推計しましょう。

結果、95歳までの資金は用意するのが妥当だと考えます。

もし65歳で退職するならば、30年=360か月分の生活費を考えておく必要がありそうです。

これで計算式が少し埋まりました。

老後資金=360か月×毎月の生活費+その他の出費-老後の収入

毎月の生活費

次に、毎月の生活費です。

60歳以上で無職の一人暮らし世帯の標準生活費データを見てみましょう。

分類支出
非消費支出(税金など)1万2548円
消費支出食料3万5137円
住居1万3814円
光熱・水道1万3359円
家具・家事用品5204円
被服4509円
保健・医療8348円
交通・通信1万2497円
教育0円
教養・娯楽1万5804円
交際費2万0234円
その他1万4920円
合計15万6374円
※ 総務省:平成27年 家計調査報告

消費支出はインフレ・デフレ、非消費支出は税制の変化などによって大きく左右されます。
また、地域によっても大きく異なるので、あくまで参考値として捉えましょう。

今回は、大都市圏に住むと仮定して、5%を加算します。
ざっくり計算して毎月16万5000円ほどとなりました。

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もし、万が一、何らかの奇跡によって結婚してしまった場合も念のため計算しておきましょう。
編集長
せいきゅん
結婚に怯えすぎだろ!
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せいきゅんがいつも会社で奥さんのことを[ピーーーー]とか[ピーーーーーーーー]とか言うからですよ。
恐妻家
せいきゅん
……。

夫婦世帯ではおよそ1.76倍の支出となります。
単身世帯にこの数字をかけると29万0400円となります。

では早速、これらの数値を先ほどの式に代入してみます。

単身の場合
360か月×16万5000円+その他の出費-老後の収入
夫婦の場合
360か月×29万0400円+その他の出費-老後の収入

その他の出費

老後の生活費を計算すると、360か月×16万5000円=5940万円……
老後資金の計算2
これはご家庭の環境によりますが、場合によっては親御さんの介護費お葬式費用が必要になる場合があります。

もしそれらが必要ないとしても、同じように自分の介護費と葬儀費用は自分で用意しておくべきでしょう。

最低限、このあたりは計算しておく必要がありそうです。

介護費

介護費=介護期間×自己負担額

保険を最大限に利用することで自己負担額は大幅に減らせますが、介護保険の上限を超えたヘルパー派遣や、家事代行サービス、介護タクシーなどを利用した場合は100%自己負担となってしまう場合があります。

こちらも一概に計算することはできなさそうなので、生命保険文化センター調査による平均値を見てみましょう。
平均介護期間:4年11か月
平均介護費用:月間7.9万円
※ 生命保険文化センター:平成27年度 生命保険に関する全国実態調査

合計すると、1人あたりの平均介護費用は466万円となりました。
実際には、別で住宅改修や、介護用ベッドの購入などが必要な可能性もあります。

ただし、介護費の中に食費などの一部生活費が含まれることがあることから、今回は466万円をそのまま代入することとします。

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細かいことを考え出したらキリがない!

葬儀費用

戒名代やお布施、墓石代に永代使用料など、葬儀費用は青天井。
ここはコンパクトなパターンで計算してみます。

2014年に日本消費者協会が行ったアンケートでは、葬式費用の平均は200万7000円。

ただし、シンプルなものでよければ自治体の市民葬(区民葬)を利用して40万円以内に収めることができるので、葬儀費用はざっくり40万円とします。

さらに墓石代と永代使用料がかかります。

こちらの全国平均は196万4000円。
東京都は単純に土地が高いので、さらに25%ほど高くなります。

ネットで墓石店や墓地の価格を調査したところ、コンパクトに収めても墓石代が60万円、永代使用料は個人で50万円、夫婦なら90万円ほどかかるようです。

単身の場合
老後資金=360か月×16万5000円+616万円-老後の収入
夫婦の場合
老後資金=360か月×29万0400円+1122万円-老後の収入

老後の収入

単身の場合の介護費用と葬儀費、合わせておよそ616万円……
老後資金の計算3
65歳を超えても働いている方はたくさんいます。
ただし、今回は65歳で定年退職すると仮定して話を進めます。

その場合、老後の収入として期待できるものは以下の3つ。
・退職金
・公的年金
・その他の収入(不動産、株式の配当など)

最後の「その他の収入」は不安定なので、一旦計算から除外して考えます。

退職金

退職金は各社の就業規則によって定められています。

一般的には月給×勤続年数×60%が目安だと言われていますが、私の姉が3年勤めた会社を辞めた際の退職金は「月給と大差なかった」とのこと。
かといって、福利厚生が悪い企業というわけでもなかったそうなので、本当に勤め先によってピンキリのようです。

ということで、中小企業の平均的な退職金のデータを参考にしてみましょう。

高卒の場合

勤続年数年齢自己都合会社都合
10年28歳89万5000円121万8000円
20年38歳306万1000円374万7000円
30年48歳655万0000円759万3000円
定年1219万1000円
※ 東京都産業労働局:平成26年度版 中小企業の賃金・退職金事情
大卒の場合

勤続年数年齢自己都合会社都合
10年32歳124万2000円168万1000円
20年42歳415万4000円508万9000円
30年52歳899万9000円1020万1000円
定年1383万9000円
※ 東京都産業労働局:平成26年度版 中小企業の賃金・退職金事情

同じ職場(中小企業)に勤め続けた場合のモデル退職金です。
それぞれの就業規則や職歴を元に退職金を計算してみてください。

ただし、近年は退職金のない会社が増えており、数十年後も同じ規則で退職金が出るかは疑問です。
不確定要素を考えるとキリがありませんが、退職金に頼りすぎるのは危険。あまり期待しないほうが無難でしょう。

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私は定年ごろには自営業か個人事業主になっていそうな気がするので、今回は退職金ゼロで計算しようと思います!

公的年金

リタイア後の主な収入といえば、年金です。

受給してもらえる金額は、厚生年金に加入していた期間月給など、様々な要因によって変化します。

国民年金のみ加入していた人と、厚生年金に加入し続けた人の平均的な月間受給額を比較してみましょう。

 国民年金厚生年金
月間平均支給額5万4414円14万4886円

私はフリーターだった時期があり、その間は国民年金しか加入していませんでした。
現在は会社員で厚生年金に加入していますが、定年まで続けるつもりはないので、ここは間をとって月10万円ほどを期待することとします。

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だいぶ自分の生き方に寄せた数字となってしまいましたが、「一般企業に10~20年ほど勤めてから独立したい」と考えている方や、「30代になってから就職した」という方も少なくないのではないでしょうか。そのような方々にはある程度マッチした数字だと思います。
ということで、さっそく代入してみましょう!
単身の場合
老後資金=360か月×16万5000円+616万円-360か月×10万円
夫婦の場合
老後資金=360か月×29万0400円+1122万円-360か月×15万4414円(奥さんは国民年金のみと仮定)

結果!老後資金はいくら必要?

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これで一通りの素材が揃いました!
私は一体いくら貯金すればいいのでしょうか?計算してみます!
単身の場合
必要額:360か月×16万5000円+616万円=6556万円

収入額:360か月×10万円=3600万円

不足額:6556万円-3600万円
=2956万円

夫婦の場合
必要額:360か月×29万0400円+1122万円=1億1576万円

収入額:360か月×15万4414円=5558万円

不足額:1億1576万円-5558万円
=6018万円
(千円以下省略)

老後資金の必要額
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ひとりで3000万!ふたりなら6000万!!!!

よく「老後に必要なお金は、夫婦で約3000万円」なんて言いますが、今回の計算ではひとりで3000万近くなってしまいました。
さらに、(もし、万が一、何らかのミラクルによって)結婚した場合の必要額は6000万円という、とんでもない金額。

主な要因としては、厚生年金と退職金を少なく見積もったことが考えられます。
平均的な厚生年金受給者(堅実にサラリーマンを続けた人)の場合は、生活費16万5000円のうち14万4886円を年金でカバーできます。

不足額は毎月約2万円×360か月=720万円
葬儀費と介護費をある程度節約すれば、退職金で全額賄える計算です。

退職金さえ出れば、問題ないでしょう。

夫婦世帯の場合も、共働きならば問題ありません。

ただし会社員以外のやりたい仕事を見つけた方や、配偶者も養わなければならない方など、多くの方は備えておく必要があります。

また、年金の受給額は毎年下がり続けています。

できることならば余裕をもって備えておくのが理想です。

ということで、具体的な対策を考えてみましょう。

老後資金の不足分を補う対策

老後資金だけ見れば「大企業へ就職し、生涯独身で転職しない」というのが最も効果的ですが、農業・自営業・フリーランスなど、サラリーマン以外の形でやりたいこと・やるべきことがある方は、他の手段を考える必要があります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

貯金よりお得な確定拠出年金
「iDeCo」
あまり聞きなれない言葉だと思いますが、これが老後サバイブの大きなカギを握っています。

簡単に言えば、自分で作る年金のこと。

毎月5000円~2万3000円(自営業の場合は最大6万8000円)を積み立てて運用し、60歳になったら受け取ることができるというシステムです。

銀行や証券会社などの金融機関を通して申し込むことができます。
(おすすめは手数料が安いSBI証券

詳しくは過去の記事へ
iDeCoとは|いま最強の節税術、確定拠出年金を図解する

iDeCoの最大のポイントは節税効果

通常、お給料をもらう際には所得税と住民税が引かれています。
引かれる金額は、所得額・控除額・住所などによって様々ですが、20代サラリーマンの私の場合で、年収の約13%が源泉徴収されています。

ところが、iDeCoとして積み立てた分は控除額に入ります。
つまり、積み立てた分のお金は所得税と住民税がかかりません。

30~60歳までの30年間、iDeCoを利用して毎月2万3000円積み立てた場合、単純計算で828万円が貯まります。

仮に所得税+住民税が13%だとすると、普通にタンス預金するより107万6400円もお得になります。

積み立てたお金は、投資信託や定期預金など、様々な投資先から選んで運用できます。
こちらの運用益にも税金がかからないのでリスク商品に投資することをおすすめしますが、元本割れが怖い場合は全額を元本保証型商品にすることも可能です。

iDeCoで利用できる元本保証型商品としては「スルガ銀行の定期預金」などがありますが、おおむね通常の定期預金よりも金利が高いので、かなりおすすめできる商品となっています。

また、iDeCoには「途中で解約できない」というデメリットがありますが、老後資金を作る上ではこれはメリットだと考えることもできます。

30歳から60歳までの30年間、iDeCoを利用して毎月2万3000円積み立て、安定して年利3%で運用できたとすると、最終的に受け取れる金額は約1343万円。

これで独身の場合の不足額の50%弱をカバーできます。

老後も働く

老後も働く
もし、65歳から75歳にかけての10年間を働き続けた場合はどうでしょうか。

仮に、1か月に18万円稼げたとすると……
18万円×120か月=2160万円

ここにiDeCoで30年間積み立てた828万円を加えると、2988万円

これならば、iDeCoをリスク投資に回さなくても推定不足額の100%を補うことができます。
自営業やフリーランスの人にとってはかなり現実的な選択肢ではないでしょうか。

何歳まで働く?
実際、内閣府の平成26年度:高齢者の日常生活に関する意識調査でも、「働ける限り働き続けたい」という回答が全体の28.9%で最多でした。

こうなると、老後に備えて貯め込むことよりも健康寿命を延ばす方が重要だと考えられます。

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やはり、お金と健康はサバイブの二大要素ですね!

まとめ:360か月で考えよう

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老後=360か月と考えると非常にシンプルに考えることができます。
漠然とした不安を可視化できるかもしれません!

老後を30年間と仮定すると、貯金が360万円あれば老後の生活費が毎月1万円増え、逆に360万円の損失が出てしまった場合は毎月1万円減ると考えられます。

これを念頭に置くと、会社の立ち上げ・資産運用・不動産の購入・海外留学など、あらゆるタイミングにおいて自分が取れるリスクを簡単に計算することができます。

例えば、65歳の時点で3600万円の貯金(iDeCo・退職金などを含む)があれば「毎月10万円+年金」で生活していくことが可能です。

これが「毎月5万円+年金」になっても問題ないのであれば、1800万円分のリスクが取れるということ(葬儀費用・介護費用などを除いた場合)。
その分、リスク商品へ投資することもできるし、体が元気なうちに世界5周旅行に出かけることもできます。

こうして見えない不安を可視化することで、本当の意味でお金にとらわれない生活が送れるのではないでしょうか。

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老後破産のリスクはiDeCoで抑えて、残ったお金でいろんなことにチャレンジしていきたいですね!
というわけで、以上!老後資金いくら必要?30歳から始める”非エリート的”備え方でした!
それではまた!Can You Survive?


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